ポジション移動は、ビブラートと同じく、今日習ったから今日からできるようになるというような、短時間で習得できる技術ではなく、かなり長い時間をかけてレベルアップしてゆく技術です。

鈴木教則本では、2巻の終わりに第3ポジションの練習をして、その後、3巻ではまだ部分的に出てくるだけで、本格的にポジション移動を使って演奏するのは4巻のビバルディの協奏曲からになります。

ポジション移動を習ってから本格的に演奏に取り入れるまでに、かなり間を置いており、このため比較的スムーズにポジション移動の技術を習得することができます。

新しいバイオリン教本では、3巻の前半に第二位置、第三位置の練習があり、その後は本格的にポジション移動を使って演奏する曲が続きます。

実際に両方の教材を使ってみないとわかりにくいことですが、新しいバイオリン教本でポジション移動の技術を習得するのは、かなり困難だと思います。副教材として、市販されている鈴木のポジションエチュードを利用する場合もあるかもしれませんが、それよりは、2巻から4巻にかけてじっくりポジション移動の技術を習得する鈴木教則本を使う方が良いと思います。

私の経験では、新しいバイオリン教本を使った場合、3巻のポジション移動の習得に無理があり、そのため鈴木教則本をやり直したり、summer prestoを教材としてポジション移動の技術をじっくり習得しなおしたりということがありました。

バイオリン講師をはじめて間もない頃は、よくわからないまま新しいバイオリン教本も使っていましたが、今はこのポジション移動の技術の習得の難しさや、リズムトレーニングが不十分になりがちであること等の理由で、新しいバイオリン教本よりも鈴木教則本の方を使うことをおすすめしています。